サイフォンについて

サイフォンのはじめ




サイフォンという器具は、19世紀半ばにイギリス人技師(ロバート・ナピア)が発明したと言われています。
日本に入ってきたのは昭和の初期で、外国で「バキューム・コーヒーメーカー」と呼ばれていた器具を河野彬という人物が改良し、
『河野式茶琲(チャヒ)サイフォン』 と名づけ、売り出したのです。
商品名にもあるように、もともとは「珈琲」ではなく「茶琲」。つまり、紅茶と珈琲がそれぞれ入れられる便利な器具というのがキャッ 
チフレーズでした。
 ところが最初はほとんど売れませんでした。当時は高価な上にネルドリップの全盛時代で、「サイフォンで点てたコーヒーは水っ 
ぽい」とか、「器が破損しやすい」という理由で見向きされなかったようです。
開発間もない頃は、耐熱ガラス製ではなかった為煮立った湯は使わず、アルコールランプで水からゆっくり温めるという方法でした。
その後改良が進み演出性が注目され、喫茶店や家庭向けギフト用品としてももてはやされましたが、いつの間にかしまい込まれて
どこにあるかわからない存在になりました。扱いがめんどうで壊れやすいのが致命的だったのでしょう。
 しかし現在、ハロゲンランプを熱源にした新しいタイプのサイフォンも発売され、復活の兆しも出てきたようです。
何と言っても香りが広がる楽しみは「サイフォン」が一番です。押入れや戸棚の奥に眠らせてあるという方は、再活用してみてはいか
がでしょうか?




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